クーガーびとのこだわり #4

中段蹴りの記憶 -空手とサッカーに彩られた青春-

幼い頃に空手と出会い、途中でサッカーの道へと進みながらも、大学で再び空手の世界に戻り、厳しいトレーニングに明け暮れた日々。本インタビューでは、クーガー随一のアスリートであり、プロダクトマネージャーとして活躍する青野悠斗(あおのゆうと)が、その原点から歩み、空手とサッカーへの消えることのない情熱や拳に刻まれた歓びまでを語る。

青野 悠斗

クーガー プロダクトマネージャー

東京都出身。前職ではエンタテインメント系IT企業にてプロダクトマネージャー業務をメインに担当。2023年秋にクーガーに入社し、現在はプロダクトマネージャーとしてバーチャルヒューマンエージェントの提供に尽力。好きな食べ物は明太フランスとピクルス。

-空手を始めたのは何歳の時ですか?

幼稚園の時ですね。ただ、中学に入る時に一度やめたんですよ。幼稚園から小6くらいまで、多分7年ぐらいやっていました。そして中高ではサッカー部に入り、大学でまた空手を再開させたという流れになります。

-幼稚園の時に空手を始めたきっかけは何だったのでしょう?

気づいたら道場にいた、という感じですね。父が柔道を学生時代にやっていて、格闘技が好きだったということもあり、兄と一緒に2人で家の近くの道場に通っていました。

-地元の道場で、地域の子供がいっぱい通うようなところだったんですね。

はい、そうです。小学校・幼稚園の時は極真空手の道場でした。先生も元世界チャンピオンのような有名な方だったので、生徒もすごく多かったですね。

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-空手にはいろいろな流派があるのですよね。

はい、伝統派と極真空手などのフルコンタクト空手に分かれます。フルコンタクトは顔への突き(パンチ)はなしで、ボディはあり。蹴りはボディでも顔でも当ててOKです。子供の頃は極真だったので頭、胴、手足をしっかり防具で守ってやっていました。一方伝統派はその中にさらに4つの代表的な流派があって、いずれも顔への突きはありですが、当たらないように寸止めする形です。振り抜きはせずに、ちょっと当たるけどパーンと引く、というイメージですね。極真は互いが近くで技を出し続けるスタイルなのに対し、伝統派はポイント性なので、瞬間の突きや蹴りがポイントになります。剣道に近いのかなという感じです。

-東京オリンピックの空手競技の組手で採用されたのも伝統派のルールですよね。

そうですね。順位付けはポイント性の方が分かりやすいですしね。

-段位は持っていますか?

段位は持っていません。小6まで通った極真空手では1級まででした。そこの道場では中学ぐらいに上がらないと初段は取れない決まりがあって。その後、中高ではサッカー部に入り、大学で空手を再開させたんですが、そこは伝統派だったので、ゼロから始まり、結局段位はとらずに卒業しました

-大学で流派を変えたんですね。なぜ伝統派にされたんですか?

大学には体育会の空手部があり、そこが伝統派の中のひとつ「和道流」だったということですね。

-大学の体育会空手部というと、周りは経験者ばかりだったのではないですか?

はい、周りはみんな段を持っている人たちでした。僕は何も持っていなくて。正式な連盟の昇段審査を受ける機会がなくて、結局4年間何も持たないままやっていました。

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大学の空手部で練習に励む(手前が本人:本人提供)

-大学の公式な試合というと、どのようなものがあるのでしょう?

一番大きいのは、全国の大学の空手部が集まる「全日本大学空手道選手権大会」です。それ以外にも東日本大会とか、国公立大学だけを集めたものなど、いろいろあります。大きな大会は武道館でやるんですよ。

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東日本大学空手道選手権大会の模様(本人提供)

参考:第68回全日本大学空手道選手権大会(2024年開催)男子団体組手決勝(外部リンク)

-武道館ですか、すごいですね。大会の内容はどのようなものなのでしょうか?

組手(くみて:相手と対戦する試合形式のもの)と形(かた:基本的に一人で行う演武。動きの美しさや正確さを競うもの)の2つの部門があります。

-青野さんは大会に出場されたんですか?

はい、組手の方に出ていました。段数とは関係なく、組手は大学内では結構勝てる方になってきていたので、4年生の時はキャプテンをやらせてもらっていたんですよ。形は苦手だったのであまりやりませんでしたけど…

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大学空手道部ではキャプテンとして活躍(本人提供)

-大学では、練習はどのようなことをされていたんですか?筋トレなどは?

アジリティを鍛えるラダー・トレーニングなどをやっていましたね。あとは、全日本チャンピオンだった総監督が、リズムが大事だということで、リズム練というのを合宿などでやるんです。ラテン音楽をかけながらステップで往復するユニークな練習で、表拍で入るのか裏拍で入るのか、相手のリズムを崩す方法などを訓練しました。

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大学空手部の砂浜トレーニングの模様(ダッシュする3名の手前が本人:本人提供)

-ラテンのリズムで下半身を強化するんですね。

そうですね。上半身の筋トレはあまりしていませんでした。突きを出すスピードやキレを鍛える目的で、チューブを持って突きをやる練習はしていました。

-試合で印象に残っている出来事やエピソードはありますか?

僕は組手がすごく好きで、ポイントを取る瞬間、相手の攻撃を避ける瞬間がめちゃめちゃ気持ちいいんです。今でも鮮明に覚えているシーンがあります。大学3年生の時の、関東甲信越大学体育大会という国公立大学の大会でのワンシーンなんですが、試合終了ギリギリまで1ポイント負けていたんです。入部当初は、股関節が硬いこともあり蹴りが全くできていなかったんですが、練習を重ねて、その試合の残り数秒で、中段蹴りが綺麗に入ったんです。蹴りは2ポイントなので、それで逆転して勝った。結局その大会は準優勝で終わりました。その時の左足の蹴りの感触は、未だにめちゃめちゃ気持ちよく残っていますね。

-すごい経験ですね。空手をやっていて良かった点はどんなところでしょう?

やはりその試合の瞬間が楽しかったこと、あとは試合の緊張感が好きだったことです。それから、根性がついたというのはありますね。大学の合宿で「千本突き、千本蹴り」という伝統があって、ひたすら1時間半ぐらい突きと蹴りをやり続けるんですが、これで延々と続く単純作業をやりきるのが苦ではなくなりました。今、仕事をする上でも役に立っているかもしれません。

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東日本大学空手道選手権大会の試合に臨む(本人提供)

-1時間半はすごいですね。他にはありますか?

あとは、多少の痛さは平気になりましたね。麻酔を使うような結構な痛みを伴う治療や施術でも、麻酔なしでやってもらって大丈夫だったという経験をしましたし。「空手やってた時の方が痛いです」って(笑)。

-いやいや、無理はしないでくださいよ(笑)。では、中学・高校でサッカーを選んだ理由は何だったんですか?

サッカーも小学校ぐらいから並行してやっていたんです。中学に空手部がなかったのがシンプルに一番大きいですね。サッカー部があったし、好きだったので自然な流れで入りました。ポジションは主にフォワードです。

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高校サッカー部での試合中の一コマ(本人提供)

-長身フォワードだったのですね。

いえ、子供の頃はまだ背が低かったです。高校ぐらいからぐんぐん伸び始めましたね。

-憧れの選手はいましたか?

当時スペイン代表がめちゃめちゃ強くて、高校生の時はスペイン代表、特にバルセロナが世界の全て、という感じでした。メッシ、イニエスタ、シャビ、ブスケツ、プジョル……。もちろんダビド・ビジャも好きでしたね。

2011年5月28日にロンドンで開催されたチャンピオンズリーグ決勝戦のハイライト(外部リンク)

-高校サッカー部での戦績はどうでしたか?

都大会に出るくらいです。都大会に出るまでにも3回は勝たないといけないんですが。高校3年生の時にレギュラーで出て、強豪と呼ばれるような高校に勝って都大会出場を決めた試合はPK戦までいって、すごく印象に残っています。

-いい結果を残せたんですね。なぜ大学でまた空手に戻ったんですか?

サッカーはもうやりきった感があったんです。私の入った大学のサッカー部はとてもレベルが高く、Jリーグのユースチームから来た人ばかりだったというのもあります。大学に入った直後はフットサルサークルに入ろうとしたこともあったのですが、なんだかキャピキャピした感じが合わないなと感じまして(笑)。

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-やるならサッカーも空手も真剣に取り組みたい、と。

はい。たまたま友達に誘われて、別の武道系のサークルに遊びに行ったときに、「やっぱりいいな、もう一回空手をやりたいな」と思ったんです。やるならサークルじゃなくて、ちゃんとやりたい、という思いがあったので、体育会の空手部に入ったという流れです。

-その友達との出会いも大きかったということですね。今は空手やサッカーとはどのように向き合っていますか?

空手は今でも大学OBの集まりが定期的にあって、稽古に参加したりしています。後輩の試合の応援に行くこともありますよ。サッカーの方は、今はフットサルを月一回ぐらいのペースで楽しんでいます。フットサルをやるのは過去に職場で出会った人たちが多いですね。

-アクティブですね!サッカーは観るのも好きですか?

観る方では、リバプールの大ファンです。モハメド・サラー(エジプト代表のアタッカー)が大好きです。プレミアリーグにチャンピオンズリーグ、全部チェックしているので出費がかさみます(笑)。

-寝る時間も削られますしね(笑)。ということで、今日は楽しいお話をありがとうございました。

いえ、こちらこそありがとうございました。この数試合、リバプールが少し調子を落としているので、頑張って欲しいです!

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