任せて活かす。クーガーで得た“真のマネジメント力”

今回は、テクニカルアカウントマネージャー(TAM)として、人型AIアシスタント「レイチェル」のファミリーマートへの導入プロジェクトを統括している高松 順(たかまつ じゅん)さんをご紹介します。

前職は野村総合研究所で金融機関向けの大規模システム開発に携わっていた高松さん。そんな高松さんに、クーガーに入社された経緯や現在の業務、クーガーで得たスキルを伺います。(インタビュー実施日:2024年1月23日)

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エンジニアと対等な関係でプロダクトを作り上げる環境を求めて

ー大手SIerからの転職を考え始めたきっかけを教えてください。

新卒で入社した野村総合研究所では、金融機関向けのシステム開発に携わっていました。システムエンジニアやプロジェクトマネージャーとして10年ほど従事した頃、もっとアジャイル開発の手法や最新の技術を身につけたいと思い社内勉強会を始めたことをきっかけに転職を考えるようになり、その中でクーガーに出会いました。

ー数ある企業の中からクーガーへの入社を決められた理由は?

転職するのであれば、大規模システム開発やユーザー向けのシステムコンサルなど前職と同じことは避けたいと考えていました。ギーク(卓越した知識を持つ)なエンジニアへの憧れもあり、受発注という上下関係ではなく、エンジニアと対等な関係で、直接対話を重ねながら自社プロダクトを開発したいと思っていたので、その条件を叶えられると感じたことが一つの理由です。

また、クーガーは伊藤忠商事やファミリーマートのような大企業を相手に仕事をしています。この環境なら、これまで大企業で培ってきた自分のノウハウやスキルを、大企業とベンチャーの橋渡し役として活かせるとも感じました。

個人戦闘力の高い仲間たちと共に働ける充実感

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ー入社されてからはどのような業務を担われてますか?

現在はテクニカルアカウントマネージャー(TAM)として、チームメンバーとともにシステムを導入してくださるお客様へのサービス提供と、メンバーへの指導を行なっています。

現在では、全国で約5000店舗のファミリーマートに人型AIアシスタント「レイチェル」を導入いただいています。日々の業務は、その導入窓口を担う伊藤忠商事の担当者との打ち合わせや、要件の作成、リリースにあたってのシステム的な準備や導入サポートなどです。また、社内のエンジニアチームと会話を行い、具体的なシステムの機能改善や機能追加についてやりとりしたり、プロダクトマネージャーと今後のロードマップについて議論したりもします。

ー業務を通して、クーガーはどのような会社だと感じていますか?

プロセスの緻密さより個人戦闘力で結果を出す会社だと感じています。前職は大手SIerで、金融機関のお客様向けのシステムを担当していたこともあり、詳細な仕様を詰めて、想定され得る全てのテストをやり切るのが当たり前だと信じていました。けれどここでは、達成すべき目的への影響度やリスク対効果、問題があった場合のリカバリ難易度などを考慮してあえて項目を絞るという選択肢もあります。また、そうすることで本来2、3カ月かかる開発を2週間で終わらせるといったスピードを実現できることもあります。

それを実現できるのは、個人戦闘力の高いスーパーマンが四方八方に存在しているからなのですが、最初は仲間の能力の高さに驚きました。やりたいことを伝えたら3日後に完成を報告してくれるエンジニアや、プロジェクトの判断軸をぶらさずにお客様要望との折り合いをつける上司など、今では個人戦闘力の高い仲間に囲まれていることに楽しさを超えて、充実感を覚えています。ただ、いわゆるキラキラとしたベンチャー、スタートアップのような空気感はなく、非常に落ち着いた雰囲気なのも特長です。

ークーガーならではの体験として印象に残っている出来事はありますか?

入社して最初の案件での出来事です。要件を作成してエンジニアに依頼をすると、お願いした仕様とは異なるものが上がってきました。そこで、仕様と一致していない旨を伝えると、こっちの方が良いのでは、との回答でした。よくよく話せば、目的を達成するためにはエンジニアが提案してくれた案が良いとわかったのですが、決めた要件と違うものが上がってくることは前職ではあり得なかった状況だけに当初は戸惑いました。

しかし、私が求めていたのはまさにこの瞬間だったのです。エンジニアと対等なやりとりがしたいと思いクーガーに入社したので、冷静になったときに「まさにこれこれ」と感じたことを今でも覚えています。

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ー勤務環境など働きやすさはどうですか?

とても柔軟な環境で助かっています。我が家は8歳と4歳の2人の子どもがいて、共働きです。少し前までは上の子と下の子が違う保育園に通っていたので、夫婦で毎日の送り迎えを分担する必要がありました。その時の勤務調整は快く受け入れてもらえましたし、自分の生活に合わせた時間帯での稼働にも臨機応変に対応してくれます。

妻が出張することもありますが、リモート稼働日を自分で調整できるので、「いってらっしゃい」と心置きなく送り出せますし、何かあったときに家で対応できる今の働き方に助けられています。

任せることを学び、磨かれているプロジェクトマネジメントスキル

ークーガーにおけるTAMの役割をどのように捉えていますか。

一般的なTAMの役割としては、技術的なことも含めてお客様のプロジェクトに伴走する担当営業だと思います。ただ、クーガーのTAMに求められるのは、お客様のやりたいことの実現に注力することだけではなく、クーガーが今持っているアセットをお客様のニーズにどう当てはめられるのかを考えることだと思うのです。

どうしてもお客様のやりたいことと、クーガーの方向性がぶつかる場面はあります。その場合、TAMは両社の間に入って調整しなければなりません。社内にお客様の要望をきちんと代弁するとともに、お客様にできないことはできないと伝えながら、自分なりの味を出した解を導くことが求められています。

ー解を導くにあたってTAMとして何を大事にしていますか?

クーガーのプロダクトとしてあるべき姿から離れていないかという視点です。この視点は入社して得たものです。前職のSIer時代はお客様の要望ですと言えば、それが免罪符のように意見が通っていたことも多く、とことんお客様目線でした。そうした経験を重ねてきた自分への自戒の意味も込めて、「お客様のやりたいことはわかります、でもここは・・・」と一度立ち止まって考えるように気をつけています。

ー上記のような視点はどのように身につけていますか?

上司とお客様とのコミュニケーションから学ぶことが多いです。私の上司は常に課題の核心に迫ろうと「達成したいことは何ですか」「何に困ってますか」を繰り返します。お客様の細かな仕様希望を聞かないわけではありませんが、お客様の課題の核心に対して私たちが提供できる解を導く、これこそクーガーならではの要件の詰め方だと参考にしています。

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ーその他、入社して身についたスキルや成長を感じることはありますか?

クーガーの魅力でもお伝えした通り、クーガーには優秀な仲間がたくさんいるので、各専門家にお任せするスタンスに変わりました。エンジニアの領域に立ち入りすぎないように気をつけて、コラボレーションを大事にすることを意識しています。UIデザインについても同じです。私が良いと考えたことが技術的に必ずしも最適解であるとは限りません。

調整の余地を残した方が結果的に良いものが出来上がる瞬間を目にしているので、やりたいことを伝えてあとは各専門家を動かすといった、協働に重きを置いたプロジェクトマネジメントスキルが磨かれているように思います。これまでプロジェクトマネジメント領域について体系的な知識を学ぶことを心がけてきましたが、クーガーでの経験を通してより多面的な理解が深まっていると感じています。今では、統制されたプロセスによって管理するものだけでなく、どんな形のプロジェクトでも進められるという自信につながっています。

ー最後にこれからクーガーへの入社を考えている方へ一言お願いします。

大手SIerでの経験をフルパワーで発揮できる場所なので、私と同じような経験を持つ方にぜひ入社いただきたいです。大手SIerは要件定義、開発マネジメント、システム設計、テスト検証、お客様へのデリバリー、運用業務への落とし込みや障害対応など、幅広い業務を担います。つまるところ何をやっている人なのかを端的に説明できないことを、過去にはコンプレックスに感じたこともありました。

しかし、クーガーには、高度な専門性を持つ尖った技術職も多いため、その狭間で溢れそうになっている業務が多くあります。クライアントサービスチームが担う領域は幅広いため、このスキルの広さが役立っていると今では胸を張って言えます。業務に線引きをせずに、どんどん巻き込まれたい、人を巻き込みたいという方と一緒に働けることを楽しみにしています。