今回はAI導入コンサルタントとして、日々お客様と対話を重ねる秋元 孝太郎(あきもと こうたろう)さんをご紹介します。
「何をやっている会社か全容が見えないことに心惹かれた」と語る秋元さん。AI未経験でクーガーに入社した彼に入社前に感じていた不安や現在の業務、これからのキャリアについて伺います。(インタビュー実施日:2024年1月23日)
限界のない感じに心惹かれた。AI未経験者がクーガーを選ぶまで
ーまずは秋元さんの経歴を教えてください。
元々、新しいものへの興味が強く、新卒で入社したのは出始めたばかりのAndroid開発に注力していたSIer企業でした。そこで、医療、公共、スマートフォンなどのプロジェクトにシステムエンジニアとして携わり、システム開発における上流から下流までの様々な工程を経験してきました。
ーそこからクーガーへ転職された理由は?
お客様のニーズを聞き出すことから始まり、要件定義、それを実現するためのプログラム作成など幅広い工程を経験するなかで、自分は上流工程を極めたい、そのためには、より上流工程に注力できる環境に身を置きたいと思うようになり、クーガーのAI導入コンサルタントに応募しました。
最終的にクーガーに決めた理由は、一番何をやっているかわからず、わくわくしたから。当時はAI未経験でしたし、ウェブサイトを見てもすごそうなことはわかるけれど、全容が見えません。でもそこが逆に、限界のない感じがして心惹かれてしまいました。
また、私は幼い頃からゲームが好きで、作る側になってみたいと思っていた時期もあります。ゲーム業界に興味はあるけれど経験的に難しいと思っていたのですが、ゲームキャラクターのようなレイチェルを業務システムとして提供するというプロジェクトを聞いた時、クーガーでならSIerとしての経験を活かしながらゲームのようなプロダクトに関われることに魅力を感じました。それから、社内にゲーム好きな人やゲーム制作に携わってきた人たちが多いことも楽しみでした。
昔はサブカルチャーとされていたゲームも、今ではコンテンツ産業の主役といわれるほどに多くの人が親しむ娯楽に成長しています。年配の方が多いコンビニの店長さんたちもレイチェルというインターフェースがあれば、ゲームをプレイするかのように業務の中で自然とAIを活用できる、そんな画期的なプロジェクトに携われるのはとても刺激的です。
ーAI未経験、よくわからないという状況に不安はありませんでしたか?
ウェブサイトを見ると、コンペで入賞したエンジニアなど優秀な人たちが集まっています。自分のスキルで足りるのか、AI未経験で会話についていけるのか。人数の少ない会社における一人の影響力は大きなものがあります。自分はここで最大限のパフォーマンスを発揮できるのか、漠然とした不安はありました。ただ、面談を通してその不安は払拭できました。求められているスキルや、期待されている業務内容などを具体的に話してくれたので、それなら頑張れると思えましたし、メンバーやCTOとの会話から、柔らかな雰囲気を感じ、率直にいいなと思えたんです。
入社して2年ほど経ちますが、AIに関しても問題なかったです。実際に私たちがお客様と話すのは店舗の課題などです。その課題やニーズをエンジニアに伝える際にも、専門的な言葉は必要ありません。AI企業だからといって、横文字だらけの会話が飛び交っている状況ではないので、必要なことは業務の中で自然と覚えられます。
実際に、今では私も画像認識モジュール「VisualCortex」の開発に携わっています。VisualCortexはレイチェルの「眼」として人や空間を認識して、その状況に合わせたコミュニケーションの実現を担います。日々、認識モデルを作るための教師データ(機械学習に利用する正解データ)の作成をアノテーター(画像・動画・音声・テキストなどの対象データのラベル付け業務を担う職種)に指示したり、エンジニアと一緒に学習精度を上げるための方針を決めたりしています。
幅広い業務を担うからこそ、相手の真意を汲み取るよう心がける
ー現在の業務内容を教えてください。
AI導入コンサルタントとして、主にお客様対応を担っています。レイチェルを導入いただいているファミリーマート、伊藤忠商事の担当者と毎日のように会議を行い、追加機能の要望を聞いたり、実装するための要件を詰めたり、開発した機能のテストをしたり、システムトラブルが発生した際の調査や対応などを行なっています。比率としては、お客様とのやりとりが4割、要件定義やアカウント発行などの実作業が4割、残り2割でエンジニアなど社内メンバーとの打合せという感じです。
ー業務を進める中で何を大切にしていますか?
レイチェルは全国5,000店舗近くのファミリーマートで導入されています。それゆえ、様々な状況のお客様がいて、求められることも多種多様です。お客様であっても、社内のメンバーであっても、話をする際は相手がどんな意図でこの話をしているのか、相手の真意を汲み取れるような対話を心がけています。
ーどんなときにやりがいを感じますか?
やはり直近では、レイチェルの導入数が約5,000店舗を達成した時です。私が入社した当時はまだ、約50店舗のファミリーマートで検証をしている段階でした。当初はアカウント管理を担当し、自分たちで実機にアプリをインストールして、直接店舗まで持ち込み、使い方のフォローを含め活用を促していました。
そこから2年ほどで、東京都のファミリーマート全店舗で活用される規模に育ったことは感慨深いです。開発にスピードもあり、どんどん機能が追加されていく様子を近くで見られるのは特権だと感じています。業務システムにキャラクターを使うことで業績向上に効果があるというデータも出てきています。親しみやすい「レイチェル」という存在がいることで、店長さんたちが業務システムに興味を持ち、AIを活用してくれています。それが結果的にお店の売上に寄与できているのはとても嬉しいです。
高いハンドリング力を身につけ、さらなる高みを目指す
ー50店舗から5,000店舗への拡大を経験して身についたスキルはありますか?
一番はスピードです。例えば、前職だと1ヶ月かけていた開発を、クーガーでは半分以下の1〜2週間で完成させます。この機能が完成したら次はこの機能を検討するなど、お客様と議論したことを最速かつ最大効率で形にしていく環境に身を置いた結果、同時並行で物事を進める能力は高まったと思います。
ースピーディーな開発を実現できる理由は何だと思いますか?
スピーディーな開発を実現できる背景として、優秀なエンジニアの存在はもちろんですが、プロジェクトマネージャーやテクニカルアカウントマネージャーのハンドリング力の高さもクーガーの強みだと感じています。
お客様から難しい要求を受けることもありますが、彼らは常に仕様の本質を考え抜きます。チームが効率的に開発でき、後々トラブルが起こらないために必要な対策を提示し、なぜその仕様でいくべきかを説明した上で「これでいきましょう」と先を見越した提案をすることによって、両者が本当に納得のいく形でプロジェクトを進行するスキルに長けていると感じます。その結果、限られたリソースを最大限活用して最短でリリースするというサイクルができて、これだけ大規模なプロジェクトにも関わらず殆どトラブルなく進んでいると思うので、ロジカルに物事を組み立ててハンドリングする力は鍛えたいと思っています。
もちろん、すぐに身につく能力ではないので、得意な人が担当しているプロジェクトの進め方を見たり、ミーティング時の段取りを参考にしたり、日々、その人なりの匙加減に注目しています。また、先を読むためには欠かせないエンジニアとの会話速度を速められるよう、より深い技術知識も身につけようとしています。
ー秋元さんは今後どのようなキャリアを描いていますか。
クーガーの場合、次のキャリアステップとしては3つの道があります。このままステップアップすると、プロジェクトマネージャーを目指すことになります。他には、お客様とのコミュニケーションが好きで、業務課題の分析や提案などに軸を置くならテクニカルアカウントマネージャーですし、プロダクトがどうあるべきかを考え、汎用的な機能開発などに携わりたいならプロダクトマネージャーです。
現時点で明確に進みたい職種を決められていませんが、5,000店舗という一つのマイルストーンを達成したところで、次はプロダクトの目玉となるようなレイチェルの新しい機能を作ることに挑戦していけたらと思っています。
ー最後にこれからクーガーで働くことを検討している人に一言お願いします。
レイチェルはプロダクトとしてだいぶ形になってきましたが、AI自体がこれからどう進化していくのかは未知数です。クーガーは生成AIをはじめ、新たに出てくる技術もどんどん試してみて、これからもプロダクトを進化させていきます。「どんな形に進化するんだろう?」そんな限界のない成長を楽しめる方、究極の人型AIを創るという壮大なチャレンジを面白いと感じてくださる方と一緒に働けることを楽しみにしています。